先日、食事中にとんでもない記事(https://www.cnn.com/2021/02/11/us/subway-pollution-report/index.html)を読んでしまった。NYCの地下鉄の大気汚染がとんでもないことになっているという。自分はまさにNYCの地下の住民で、毎日朝と夜、地下鉄を使っている。これにはがっかりしてしまった。おそらく、肺はイカれてしまっているだろう。
この研究はNYUのグループが行った調査で、北米の大都市の地下鉄と地上の路線(above-ground; 高架鉄道とかだろうか。)で朝夜のラッシュアワー時に大気を採取し、gravimetoryやX線蛍光分析で物質の量や種類を解析、報告している。これはアブストがよくまとまっていてとても読みやすい論文だった。それだけに、あまりしっかりと読み込まなくてもある程度理解できた。こういう専門じゃないし、それで良いと思ってる。この論文によれば、測定時間帯における平均のPM2.5(Particulate Matter with less than 2.5 µmø)の濃度は以下のようになったらしい。
場所・駅 | 地下鉄 | 地上の路線 |
PATH | 779±249 µg/m3 | 20.8±9.3 µg/m3 |
MTA | 548±207 µg/m3 | 24.1±9.3 µg/m3 |
ワシントンDC | 341±147 µg/m3 | 12.01±7.8 µg/m3 |
ボストン | 327±136 µg/m3 | 10.0±2.7 µg/m3 |
フィラデルフィア | 112±46.7 µg/m3 | 12.6±12.6 µg/m3 |
PATHなんかは最大で1.5 mg/m3もあったらしい。さらに全地下鉄から採取したサンプルのX線蛍光分析では、その内約として、鉄が51%、炭素(Total carbon)が31%、シリコンが3%、その他としてカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、シリコン、硫黄、バリウム、不明物質なんかも1%くらいずつあったらしい。この論文では他にもBC2.5(Black carbon with 2.5µm)、大気中を舞っている鉄、シリコン、その他物質のデータも表にまとめてあった。完全に毒….
Discussionもざっと目を通したが、残念ながら他国との比較なんかがされておらず、そしてこれがどのくらいの健康影響を及ぼすのか、読み取ることが出来なかった。言うてもこれが体に無害なはずがないので、そんな必要はないのかもしれない。そして、働いてるヒト、通勤してるヒトも暴露時間によってはU.S. federal environmental and occupational guidelinesにあるようなリスクになるだろう….と結論付けてある。
もはや自分は完全にリスクである。ここでふと思ってしまった。コロナウイルスやインフルエンザウイルスなど、他の感染症への感受性との関係性はどうなんだろう?風邪の症状、感染力、他のアレルギー反応への相乗効果とかはあるんだろうか?この論文を以下に引用する。とても興味深かった。