Fire safetyについて

そういえば先月1月28日(月)、人生で初めてボヤ(もしくは本当に火事のたぐい)にあった。実際には、どこが出火元だったのか、そもそもボヤだったのか火事だったのかわからないが、かなり焦った。同時に火事への備えって重要だということを実感した。これも記録しておきたいことだったので、忘れないうちに書いておこうと思う。

実は自分の所属する某大学の某ビルでは、ファイアーアラームの誤作動(正直、誤作動なのか実際に何かを検出しているのかわからないが、いつもチェックの結果何もなかったということがほとんどである)がかなり多い。いつも新しく研究室で働きはじめた人は不安になっている。音もかなり大きいし、フラッシュライトもずっと光るので、かなり鬱陶しい。以前所属していたポスドクが、これについて「もし本当の火事だったらどうする?ここは24階だし、逃げ場なんかないぞ。」と言っていたが、本当だった。

大体4:00PMくらいに、実験がほとんど終わったので遅めの昼食をランチルームでとっているとき、このファイアーアラームがなった。正直、頭の直上で音とアラームがなっているのでかなり大きい音だったが、誤作動がほとんどなので、「いつものヤツだろうなぁ」とか思って、かなりゆっくりしていた。運が良かったのが、ちょうどアラームがなったころにランチが終わったことだった。その後、ランチルームから研究室に戻るとき、なんか何時もと違っていて、数人がバッグを持って外行きの格好で走っていた。我ながら危なかったと思うことが、それでも、あまり気にならなかったことだ。研究室に入ってみると、なんか白かった。というか、あっちから白いのがモクモク来てるのが解った。「あ、これヤバいやつだ。」と一瞬だけ冷静になって、「やれやれ、どうようか。」と、本当に一瞬だけそう考えたことを覚えている。その後、「逃げよう。」と考えた途端に焦り出したように思う。はじめは案外冷静で、認識してしばらくして本当に危険なことが理解できたら焦り出したことが今考えても不思議だと思う。本当に危険な火事の場合、このプロセスの間に逃げ遅れて死んでしまうのだろうと思った。まだモタモタしている人が居たのを覚えている。

一度は半袖のままそのまま外に行こうと思ったが、さらに無駄に冷静になり、「周りは白くなってきてるけど、息できるし、ラップトップとハードディスクと荷物とダウンジャケットだけ持って逃げよう。これさえあれば、ここが全部燃えても大丈夫!」と考えて、それらを持って逃げた。パソコンについては、CPU time食いまくりのbaySeqが走っていたが関係なくハードディスクを引き抜いて走った。

上の階から煙が漏れてる。

今考えたら良くなかっただろうことがもう一つある。それは、階段を使って下に逃げたことだ。一年に一度、e-learningでラボセーフティーに関する強制セミナーを受講しないといけないが、そのセミナーで、場合に依るのだろうが、「下から煙が来ている場合があるので、階段を使って下に逃げない。」というのを読んだが、これは正しかったのだろうか。今回は階段が白くなっていなかったので、それで良かったのだろうか。結局のところ、「場合に依る」ということが証明されたと思う。しかし、冷静にその状況を判断するのは、緊急事態では最も難しいことだと実感した。

下のフロアについたとき、大勢の人たちがすでに集まっていた。そこで、PIを含む研究室のメンバーと会えたことはけっこう安心した。しかし、一箇所に大勢が集まるのも、コロナウイルス的にあまり良くないような気もしていたので、「せっかくなので、コーヒーでも飲んできます。」と言ってコーヒーを買いに行った。考えることはみんな同じなのか、なんとコーヒーが売り切れてたのがかなりショックだった。

しばらくしたらNYFDの人らが来て、火事の火元をチェックして、その1時間後、どうやら大丈夫ということが解ったらしく、エレベーターで研究室に戻った。戻ったらもう5:00PM過ぎだった思う。実験が大方終わっていて良かったと思った。次の日に聞いたことだが、どうも煙の元は上のフロアだったらしい。しかし、何がおこったのか、詳細は未だによく知らない。

NYFDによるチェック中。

その二週間後(具体的な日時は忘れました)、自分が暗室に行っているときに、ファイアーセーフティーの人らによる消火器の使い方のレクチャーがあったらしい。PIも含めてクソ狭い通路に集まっていて、ちょうど研究室に戻ってきたときに、「消火器の使い方わかる?どうやるん?」的なことを唐突に聞かれて、「は?」と思ったことを覚えている。これ、うちの研究室の悪いとこだと思うんだが、こういうコモンセンスなことを唐突になんの前置きもなく聞いてくるから、パッと理解できないことが多い。学生じゃないのだから、実験でも研究でもそうで、一緒に理由を説明してほしい。効率が悪い。その質問に対して「Pull it, Direct it to fire, Push this lever.」と言ったら、「OK。お前は知ってる。実はみんな知らんかったんだよ。」と笑いながらPIに言われた。いや、知ってるだろ。知っとけよ。そのときは空気を読んで「そうですか。」と合わせたが、笑い事じゃない。

実際に自分の居る研究室から火が出ていたら、そのようにできるのだろうか。正直自信がない。

本当に火事の備えは重要だと思う。家でも、重要書類はまとめておき、いざというときはすぐに持ち出せるようにしておいたほうが良い。家では重要書類はまとめていたが、持ち出せるようにはなっていなかった。これを機にプラスチックのドキュメントボックスを買おうかと思った。

2021/02/21; 誤字脱字訂正。