コロナウイルスワクチンの予約がとれた

日付;2021/04/17(土)

4月11日(日)の夜中、というか、4月12日(月)の早朝の3時くらいに、嫁のワクチン予約がとれた。3月末にNYCでのワクチン適応が拡大されてから、2週間、暇さえあればNYC Vaccine Finder(https://vaccinefinder.nyc.gov/)で予約を取ろうとしていたけど、いっこうに予約までたどり着けなかった。そんなときに、早朝に起きてしまったので、そのNYC Vaccine Finderで様子を見ていたんだが、なんか予約が取れそうだったのでその勢いで予約した。

最初は勢いで予約したのだが、それはJohnson and Johnsonのワクチンだった。しかし、そのときはこれらのアデノウイルスをベクターとして用いるワクチンの副作用として、血栓の形成が報道されていたときで、接種に対して嫁はめちゃくちゃ難所を示していた。そして、別のワクチンサイトの予約ページにNYC Vaccine Finder経由で行ってみると、Mass vaccinetion siteでファイザー製ワクチンも取れそうだったので、すぐにジョンソンアンドジョンソンのワクチンのアポイントメントをキャンセルして、予約を取り直した。

その月曜日の夜、アメリカでもジョンソンアンドジョンソンのワクチンの接種停止が報じられた。

そして今日、Scienceの記事を読んでいたら、面白い記事(https://science.sciencemag.org/content/372/6539/220?rss=1)を見つけた。これは、ジョンソンアンドジョンソンやアストラゼネカ等が使っているアデノウイルスベクターを使うワクチンの血栓症についての考察が書かれた記事だ。それによれば、この血栓症は、ヘパリン製剤の投与で起こるヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia (HIT))と似ているらしい。これは、抗体(の接種)がPF4(platelet factor 4)とヘパリンの複合体を形成させてしまい、それにより危ない血栓が生じてしまうということらしい。それに、これらの抗体を接種された(多分高齢者や慢性疾患を持っている人達のような)脆弱な人たちでは、PF4に対する抗体が作られてしまうことも見つかっているらしい。で、その研究者らはそれをvaccine-induced immune thrombotic thrombocytopeniaとか名付けているらしい(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe2106315)。また、別の研究者は、そのメカニズムとして、摂取されたアデノウイルスのうち、(たぶん、接種や接種後のどこかの過程)で壊れてしまったウイルス由来のDNA(負に荷電)が、PF4(正に荷電)と結合し、それに対する抗体も作られてしまう可能性を示唆しているらしい。それに、すでにある抗体が、それらをブーストしてしまう可能性もあるらしい。この研究者は、多くの健全な人らは末梢性免疫寛容(Peripheral tolerance)が、それがそのPF4と抗体の複合体を寛容(許容)してしまい、それにより症状がでるのではないか、と言ってるらしい。で、今はアストラゼネカで投与量を減らした臨床試験を行っていて、それにより少ない投与量で、PF4に対する抗体の産生が減って、そういった強い炎症反応が減るかどうか解析しているらしい。

タイムリーだから面白かった。たしかに、このような過剰発現系における量は、内因的に起こるような量とは比べ物にならないくらい多いはずなので、こういうこともあるのかもしれない。しかし、ぶっ壊れた細胞からでるDNAなんて、炎症部位なんかでは頻繁に放出されていそうなもんだ。それに、ワクチンや免疫反応と投与量はどのくらいの相関があるかなんてよくわからんし、その反応の閾値もかなりのバラツキがありそうなもんだ。だから用量を減らしたところで、多かれ少なかれ有害な反応が起こり得るってことな気がするが。

まぁどっちにしろファイザーのワクチンの予約がとれたし、ファイザーのワクチンなら自分も打ってもらっているし、その副反応なんてのも経験があるから、すこし安心かと思う。