Kindle Fire HD(第13世代)の個人的評価

日付;2024/01/06(土)、2024/2/10(土)

Kindle Fire HD(第13世代)を日本版Kindle、Amazon Prime、Netflix、YouTube用に購入し、一ヶ月間使ってみたので、その使い心地を記しておこうと思う。

なぜKinlde Fire HD 10なのか

以前の記事にも書いたが、エンターテイメント用に使用していたGalaxy Tab S3の寿命が近いことが予想されている。その代わりの機種として色々と物色して来たが、良いAndroidタブレットが日本には売っていない。そのためにAmazon.comでLenovo Tab P11を買おうとしていたのだが、その価格が上がってしまい、もはやShipping Feeだの為替だのを考えると日本で購入するのと同じくらいの値段になってしまい、一気に購買意欲が消失した。他のタブレットを探してみても、何か高すぎたり怪しすぎたりで、丁度良い者が見当たらないでいた。

そこでこの手のタブレットが必要な理由を再度考えてみる。先日、ブログ用にiPad(第10世代)を購入した。それはやはりブロクの記事作成で非常に役に立っている。なので、ブロク用、すなわち、趣味の文書作成用は既に必要ない。しかし、iPad(第10世代)のスピーカーはDolbyサウンドシステムではなく、価格の割にかなり貧弱である。やはり、このiPad(第10世代)は、PDF閲覧用やブロク作成が関の山の、究極のメモ帳であると言える。それに、Magic Keyboard Filioを付けると、その重さたるや、もうラップトップ一台持ったほうがいいんじゃあないのかと思うくらい、重い。寝転がりながら見るタブレットとしてはあまり向いていない。Magic Keyboard Filioを外せば非常に軽いのだが…

そういうことで、以下が必要な条件である。

エンターテイメント用タブレットに求める個人的な条件

  • 重量が軽い。
  • 日本版Kindle、日本版Amazon Prime、日本版Netflix、日本版YouTube用専用。(PDF閲覧用や文章作成用にはiPad(第10世代)に勝るものは無いので、それは対象外。)
  • Dolbyサウンドシステム有り。(これがあれば、貧弱なスピーカーの割に音量が大きい。iPad(第10世代)には付いてない。だから、iPad(第10世代)は価格の割に音が貧弱である。最近気がついたのだが、Galaxy Tab S3にはAKGのスピーカーシステムが付いていて、これが効果絶大であるらしい。こうなってくると、もうGalaxy Tabを買えって感じである。
  • Androidが良い。(Galaxy Tab S3を引き継ぎたい。)
  • 30000円未満。

ちなみに、KindleやAmazon Primeは、全ソフトが一つのアカウントに紐づけられると思う。つまり、自分のようにアメリカと日本の両方のアカウントを持っている場合、同じタブレットで2つのアカウントが共存できない。だから、PDF閲覧用とか、本気で参考書や本を読む場合のアカウントはアメリカのAmazon.comのアカウント、エンターテイメント用には、映画などで国の制限がかかっていないAmazon.co.jpのアカウントを使用する、という感じである。Amazon.comは現在、iPad(第10世代)とKindle Paperwhiteで利用している。それらの機種では、Amazon.co.jpのアカウントは共存できないので、利用できない。

悩んだ末にたどり着いた結論が、Kindle Fire HD 10(第13世代)である。まず、色々と考えてみると、エンターテイメントはAmazon.co.jp(Amazon Prime)、Netflix、YouTubeがあればよく、これらはFire OSのアプリでも使用できる(YouTubeは別アプリを入れる必要がありそうだが)。また、Kindle Fire HD 10でも以上の要件がほぼ満たされており、かつ、価格が安い。この場合、アマゾンの初売りセールとアマゾンのポイントで最終的に10000円くらいで購入できた。残念なのが、上記要件を100%満たしてないことがある。以下である。

事前調査によるKindle Fire HD 10の欠点

  • OSがAndroidではなく、Fire OSというOS。Androidがベースになっているので、何か色々とインストールして、あたかも一昔前のJail Break的なことをすればGoogle Playがインストールでき、そこからAndroid用のアプリもインストールできるらしい。
  • YouTubeがFire OSアプリとしてインストールできないらしい。

なんでやねんって感じである。しかし、事前のインターネットの調査ではAndroidアプリを利用するにはGoogle Playをインストールすれば良いらしい。なので、そんなに悪くないような気がする。如何せん、値段が安いのが良い。それに、個人的に以下のおまけもついていた。

Kindle Fire HD 10のおまけ的長所

  • microSDが1TBまで読める。

1TBまで付けることができるのは良いが、その容量をこの一昔前の性能のタブレットに求める人は居るのかって感じである。

Fire OSは寝転がりながら使うタブレットとしては最悪

そういうことで、初売りにアマゾンポイントを使い、約1万円という安値でKindle Fireを買い、さっそくいつ壊れてもおかしくないGalaxy Tab S3の代わりとして寝転がって使って見たけど、これがまた、めちゃくちゃ使いにくい。今の携帯電話やタブレットはiPhone、iPad、Androidが圧倒的に普及しているわけだが、これらと比較してもその差は明らかである。そういうことで、どこが悪くて、そして、どこが良いのかを述べてみようと思う。

こんな感じである。画像を回転させる気はない。

対応ソフトが少なすぎるし、純正ソフトは使いにくい

これは、すでにインターネット上に沢山情報があるが、OSはAndroidをベースにしているが、Androidではない(Fire OSである)ことから、なんとGoogle Playが利用できない。アプリはAmazonのアプリストアというソフトからインストールする必要がある。しかし、ここに置いてあるソフトのすべてが怪しい。そして、そのすべてが使いにくい。おそらく、Kindle Fireを、メディア用として購入したすべての人や、Androidタブレットとして購入した人の感想だと思う。このタブレットを「すごく使いやすい、最高です。」という人間はおそらく世界には居ないだと思う。特に酷いのがYouTubeである。YouTubeもGoogleである。このKindle Fireは、特にGoogleを嫌っている(もしくは嫌われている)らしく、Googleのソフトが、後述するAPKMirrorからあるツールをインストールしなければ使えない状態になっている。現時点でNetflix、Spotifyは大丈夫である。あと、当然、Amazon Prime Videoも大丈夫である。

上述したが、特にYouTubeが酷い。写真からわかるように、「Video For YouTube」というサードパーティーのソフトをインストールしたが、これが使い勝手が良くない。Google純正のYouTubeアプリの足元にも及ばない感じである。まず、読み込みがかなり遅く、常に広告が表示される。また、ブラウザでは必須の「戻る」機能であるが、これが単に前のページに戻るだけで、ホームに戻るわけではない。Androidの純正Youtubeアプリならば「前に表示していたホームに戻る」が、そうではない場合がこんなに使いにくいとは思わなかった。一応、画面の左上にホームボタンがあるが、ボタンが小さいし、レスポンスも案外悪い。そもそも寝転がりながら操作しているので、指一本で同時に「前に表示していたホームに戻る」くらいの、複数の事をこなしてもらわないとけっこう鬱陶しい。あの小さいホームボタンを押すには、両手が必要である。寝っ転がっているくらいのメンタリティーなので、両手さえも出したくない。現時点では良い点としては「軽い」ことである。

もう一つけっこう駄目なのが、ウェブブラウザである。Silkというソフトであるが(一瞬で捨てたので、正直良くわからん。以下は本当ならば出来る可能性がある。)、ぱっと触った感じでは、Chromeなどからブックマークをインポートすることが出来ないから、面倒で仕方ない。それに、あまり覚えていないのだが、使っていてもなんか微妙で、使う気になれなかったのを覚えている。

ポッドキャストはSpotifyではなく、Amazon Musicを使っている。しかし、このAmazon Musicもイラッとすることがある。これはタブレットなのに、どうやらランドスケープにならない。いや、画面回すだけだろうが、そんなん、設定しろよ。別に聞けているので、許してやっているが、音量ボタンの上下がわかりにくくなるのでなんとかしてほしい。

スピーカーが普通すぎる

前述したが、このKindle FireはDolbyを使っているので、ある程度スピーカーの「音量」は稼げると思っていた。ちなみに、音質は端から全く期待していない。しかし、けっこう普通であった。なんやったらちょっと思っていたのと違うので、非常に残念である。要は、タブレット単体にスピーカーでは、寝っ転がりながら見るくらいの音量しかない。重要なことは、Kindle Fireは寝っ転がりながらエンターテイメント用のアプリを使うほど使いやすくないので、寝っ転がりながら使うくらいの音量では全く使い物にならない。

軽いのはすごく良い

すごく軽い。これで通常のAndroidで、Galaxy Tab S3と同じソフトがインストールできたらどんなに良かったことか…寝っ転がりながら使うので、少しでも軽いほうがよい。大抵、寝落ちして顔にぶつけるのだから。

Findle Fire HD(第13世代)は431g。
iPad(第10世代)は476g.

台所用もしくはリビングでの展示用タブレットとしては優秀

ところがある日、台所でKindle Fireを使っていた時に、台所用タブレットとしては非常に良いことに気がついた。どういうことかというと、台所では、基本的に料理などの家事を行っており、ウェブサーフィンやアプリの切り替えをほとんどしない。動画もほぼストリーミング状態で、すこし見てるけどタブレットにほとんど触れないという状況である。Netflix、Amazon Prime Video、SpotifyはGalaxy Tab S3と同じように動くので、違和感なく使えるので、タブレットを頻繁に操作しなければそれで良いのである。

キッチンで使う分にはとても良かった。

また、Amazon Photoが実は(現時点では)かなり優秀で、なんと写真ならば容量無制限でアップロードできる。そして、このAmazon Photoはストリーミング機能があるので、なんと、家に保存してあるデジタル写真を全部アップロードして、リビングルームや台所で写真全部をストリーミングできる個人的に、これは今までに無いくらい優秀であると思う。Google photosやiCloudは容量に制限があるし、一般的な据え置きのデジタルフォトフレームは、高々、100GBくらいしか写真を保存できない。当然、最近のタブレットはmicroSDXCで容量を1TBくらいまで拡張できるため、それで良いという人もいるだろう。しかし、そこはオンラインストレージの利点である「バックアップ」という機能として働かせることが利点である。一度、ハードディスクがぶち壊れた経験がある人であれば、この利点は非常に優秀であることが一瞬でわかるはずである。特に写真とかのデータが消し飛ぶと、それは思い出が消し飛ぶこととほぼ同じ意味である。

台所用タブレットとして使うためのコツ

個人的に台所用もしくはリビングルームストリーミング用タブレットとして使うために必要と思うことである。

APKMirrorは使わない

Android OSのように、Google Playからソフトをインストールするためには、APKMirrorというリポジトリから一連のソフトをダウンロードして、それを、決まった手順でインストールしていく必要があるらしい。しかしながら、これはKindle Fire OSのバージョンや機器のバージョン(世代)によって適用・非適用があるらしい。

では、このAPKmirrorからダウンロードした一連のプラグインにより、今はGoogle Playを使えているとしよう。ふと、Kindle Fire OSをアップデートしてみると、それが正常に動かなくなってしまった。とか、こういうことが起こるに決まっている。それを解決するために、本来使い勝手の良くないタブレットにそんな時間はかけたくない。それに、純正のおすすめのソフトで快適に動く環境のほうが、いろいろな障害に遭遇せずに済むじゃあないか。

APKmirrorとか、はっきり言って面倒すぎる。無駄無駄無駄…..

アプリを絞りまくる

これは台所用タブレットである。ウェブサーフィンもラングリングもストラグリングも何もしない。食事しているときに、映画を見たり、ただのデジタルフォトフレームだし、YouTubeだって適当にストリームするだけである。そういう用途なので、それしかアプリは入れないようにする。それであれば、障害にぶち当たることはかなり減らすことができる。

現時点で頻繁に使っているアプリは以下である。これで台所用アプリが完成である。完全に据え置き用である。

  • Netflix(映画用)
  • Amazon Prime Video(映画用)
  • Video For YouTube(YouTube用;他にもっと良いのがあれば、そっちのほうが良い。)
  • Spotify(音楽用)
  • Amazon Photo(デジタルフォトフレーム用)
  • Amazon Music(ポッドキャスト用)

おすすめかどうか

おすすめの使い方は、上述の通り、台所用やリビングルームの動画・写真ストリーミング用タブレットである。この使い方はストリーミングされているメディアを眺めているだけで、特に画面を頻繁にタップしたりしないので、この低機能なKindle Fire OSでも運用可能である。というか、この使い方ならば非常に有用である。変なデジタルフォトフレームを買うくらいなら、Kindle Fire HDを買ったほうがお得である。その理由は、写真だけでなく、映画などをストリームできるし、写真については容量無制限にクラウド上(Amazon Photo)に保存できるためである。台所用・リビングルーム用ストリーミングタブレットとしてはこの上なく優秀である。

しかし、寝転がりながらグダグダとYouTubeを見たり、インターネットをうろつくためには、Kindle Fire OSでは圧倒的に役不足なので、この目的のためなら買ってはならない。絶対に金の無駄になる。初めから4万円くらいのAndroidタブレットを買うべきである。