海峡、奄美大島、名瀬市、屋仁川通り

日付;2024/07/20(土)

7,8年前ならば、ただ適当に色々な酒を飲んでいれば楽しい、みたいなところがあった。でも最近では、その土地に行ったのならばその土地のものを体験して、しっかりと理解したい、「奄美大島に来たんだから、その土地のものを食べなくちゃだめだろう。」みたいなところがどうしてもある。これはおそらく一度日本を離れてみて、日本の良いところを認識したおかげだろうと考えている。

じゃあ、どこでそういった料理を食べることが出来るのかというと、この古仁屋通りでは、「吟亭」というところが良いと思う。しかし、ここで体験できるのは料理ではなく、島唄であり、奄美大島の郷土料理とは少し違うような気がする。

屋仁川通りのゲート直下にある。

もうインターネットを調べるまでもなく、看板にはヤギ刺し、ヤギ汁、夜光貝、アバスって書いてある。もうここしかない。ここならば奄美大島の郷土料理を食べることができる。しかしながら、うちの嫁さんのお母さんにヤギ汁と食べようと思うと言ったら、「うわ〜」的なリアクションが帰って来たような記憶がある。でも、それでいい。じゃあ、それじゃあ、ヤギ刺しから始めようじゃあないか。

メニュー。正直、入りにくい。

まず注文したのは島もずく、アオサの天ぷら、アバスの唐揚げ、ヤギ刺しである。島豆腐はお通しだったと思う。この島豆腐は、なんというか、普通の豆腐よりも口当たりが柔らかく、味が濃く、重い感じがする。餅っぽいというか、そういう感じだったと思う。ごま豆腐のごまなし、というか、そういう感じである。ヤギ刺しはこの手の動物の入門編らしいけど、特に臭みもなく、生姜をつければ別に臭みなんかない。むしろ、豚足や豚の角煮なんかよりもさっぱりしていると思う。確かに、馬刺しとかに比べればあのラム肉の香りはある。しかしそこは如何せんヤギなわけで、羊っぽくてもしょうがない。世界中探してもヤギと羊の違いを言える奴なんか居るわけがない。個人的に思うのは、島もずくとかアオサとか、そういった海の副菜みたいな奴らはとても美味しい。

アバスというのはハリセンボンらしい。気をつけなければならないのは、これは骨がかなり多いことである。この一個の唐揚げに噛みつこうものなら、骨の返り討ちにある。小骨ではなく、けっこう大きな骨である。白身としてはかなり淡泊で、想像通りというか、言われても違和感がない味って感じである。骨があるので食べ難いが、肉質はふわふわだった気がする。

島豆腐
島もずく
やぎ刺し
アオサの天ぷら
アバスの唐揚げ

一通り注文した品を食べて、隣の客がヤギ汁を注文した。どんな匂いなのかと思いきや、特に匂いなんかしない。これは自分も行けると思って注文したのが写真の品である。店のママさんが言うには、夏なんかこれで体力つけるのが良いらしい。自分には、食べ物を食べて体力をつけるというイメージがいまいち出来ないのだが、どうやら精がつくらしい。普通に、全く美味しい。要はラム肉のスープである。かしながら、言うても生姜とかそのあたりだろうけど、ハーブは効かせていると思う。そして、ほぼラム肉スープなので、多少なりともクセはある。おそらく、これはシメに最適だろうということはわかった。特徴のある味ではあるので、逆にこれを最初に持ってくるのはちょっと違う気がする。お通しの逆って感じである。

ヤギ汁

あと、奄美大島の居酒屋ってのは、どの店も同じような酒が置いてある。ヤギ汁、豚足、味噌漬けなど、かなり味の濃いものが多いので、キレの良い黒糖焼酎との相性がいいのだろう。しかしながら、もう少しバリエーションがあってもいいように思う。味の濃い料理が多いのだから、例えばビールでいうところのIPAなんかは相性が良いと思うのだが、どうなんだろうか。

奄美大島の料理は基本的に大味でかつ味が濃いからすっきりしたアルコールとの相性が良いのだろうが、正直、自分には黒糖焼酎の味はすっきりを通り越してキレすぎる気がする。言うてもこれは好みなんだろうけど。

まんこい