美女と野獣

日付;2024日11月3日(日)

美女と野獣

嫁さんに連れられて劇団四季の美女と野獣を見てきたんだが、そこは自分のキャラクターとは大きく異なる異次元の場所である。さらに気合の入ったことに、S席である。周りももう本気である。この人たち、絶対何周か回ってる。拍手するタイミングとか、そういった客側の立ち回りが安定しているし、もう双眼鏡とかで見ている人もいた。S席なのに。アナウンスも本気で、公演が始まる前に「これ以降にカメラ行ったら違法だからな。それにいいか、頭を動かすんじゃあないぞ。前の人の迷惑になるからな。深く座ってゆっくり見るんだ。携帯の音とか目立つから電源切れ。画面とか光らすんじゃあないぞ。あと、子どもが泣いたら出てロビーであやすんだな。よろしいか??」と、淡々と言われる。違反したら唯では済まさんっていう意気込みが伝わってきた。わたしたちの世界を汚す奴は何人たりとも許さんというか。このときばかりは「ああ、もう席を立てないんだな…トイレには行けないんだな…」と本気で思ってしまった。ベルが「ああ、もう家に帰れないんだな…パパとはもう会えないんだな….」と思う気持ちと一緒だったはずである。多分だけど。公演中も音が大きいし、圧倒されてしまった。公演の最初のころとか、固まっていたような気がする。本当に。公演は前半と後半に分かれていたが、前半の中盤でなんか体力が無くなった気がした。

しかし、公演は本当に素晴らしいものだった。舞台装飾も芸術的だったし、シーンに合わせたステージのライティングやカラーリングはさすがだった。俳優たちの演技と音の演出のタイミングなども完璧である。迫力もあった。よく知らない自分でも感動した。特に後半。自分もこの手のエンターテイメントは疎いが、エキサイティングとか非日常とかいう表現はこういうことなんだろう。リピーターになる気持ちもわかる。素晴らしいものだった。みんなルミエールのことが好きだろうし、ガストンの取り巻きの女性たちこそが目当てだろう。だから、完全に舌足らずではあるが、思ったことをこうして記録しておこうと思う。時間がたったら忘れてしまうからな。

しかしながら、この世界観と自分のキャラクターがかけ離れている。公演は素晴らしいが、逆に言えば当てられている感覚にも近い。劇団四季に通い続ければ、性格も改善できるんじゃあないのかってくらいである。これに魅せられたら、公演の最後のキャスティング紹介的な場面で、いい年した幅のデカいおっさんが感極まってベルに手を振ってしまう、とかになってしまう。周りから言わせたら、そのくらいの人間性は必要なんだろうけど、それは違う気がする。もうちょっとこう、なんというか、良くも悪くもどっちつかずで適当な感じが良い。それに、あんなに輝いていたら眩しすぎて失明する。スリングショットだって、思いっきり逆方向に引っ張られてこそ威力を発揮するわけだが、やり過ぎたら狙いが外れて何かにあたって関係ない物をぶっ壊すか、その引っ張りに耐えきれずに自爆である。そうなる前に、そのテンションをゆっくりと解除する必要がある。

Guzman y Gomez

そういうことで、あのドラスティックな世界観から少し離れた物を食べることにする。グアカモレ。ここは日本のタコベルより美味しい。上述のように、驚異的な集中で公演を見ることになるので、随分と疲れるしお腹が減る。そこに来てのコロナビールはいい感じだった。グアカモレも非常に美味しい。なんというか、ポスドクやってたころにたまにカフェテリアで出てきたグアカモレボールと近しいものを感じた。やっぱり、おすすめはビーフだよなって感じである。コロナビールってあんまり好きではないが、こうやってライムを入れて飲むとけっこう美味しかった。あの無駄な味の重さが軽減する気がする。言うてもペアリング次第なんだろう。さすがにメキシコの食べ物にメキシコ産のビールは相性が良い。こういう店、自分の周りにもないかなって感じである。

Susan’s MEAT BALL

こうなってくると、気になった物は食べていこうということで、ミートボール。自分はニューヨークのミートボールヒーローが大好きだった。だから、食べておいて損はないだろうということで。もうちょっとミートボール大きい方がいいし、スパイスをたくさん入れてしっかり焼いた方が良いような気がする。でも、日本だっからこうなるよなって感じである。あれやったらパスタとかライスとか要らんので、ミートボールのサイズを2倍にしてくれ。しかし、このレモン酎ハイのグラスはなんか良かった。持った感じとか、飲んだ感じとか。

楽しかったし、総じて満足って感じである。